デイリーポータルZの編集長、林 雄司さんの書いた「世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書」がおもしろかった。

デイリーポータルZの編集長、林 雄司さんの書いた「世界のエリートは大事にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書」がおもしろかった。斜め読みを2回して、その後通しで1回読んだ。

最初に読んだ時の印象は、なんとノイズの多いことかということ。ここでいうノイズとは、本編とは関係のない余計な情報という意味合いだが、このノイズがおもしろく、筆者の個性に溢れ、文章に独特なリズムを生んでいる。

あと、思わずふきだす箇所も多かった。まさに、デイリーポータルZの記事を読んでいる感覚だ。デイリーポータルZをここ数年見ていないが。

以下は、思わずふいた箇所。

思わずふいた箇所

  • 「あたしって変わってる」って思う若者を集めてるヴィレッジヴァンガードが全国に420店舗もあるのだ。
  • 「仲間とスケジュールをがむしゃらに作って実行して感動を与える」
  • 真面目なことを書いてしまったので急に甘えた口調になってしまった。
  • 勢いづいて何か書いてしまっても、自分のブログなら下書き保存、Facebookなら自分だけ公開だ。あとで見ると意識高い系みたいなことが書いてあって、自分の中の意外な一面に戦慄することがある。
  • Facebookを眺めててバーベキュー写真が載っている場合は、そっと「非表示」にしている。
  • 知り合いは、毎日ホームページを更新するのは大変なので、とりあえず背景の色だけ毎日変えると言っていた(頭いい)。
  • 張本さんも「喝」か「あっぱれ」以外のテンションでもしゃべってみたいと思ってるんじゃないだろうか。「ふつう」とか。
  • ああ、Twitterでうまいこと言ってたくさんリツイートされたい。頭いいって言われたい(この欲求は、人を笑わそうとしてる人の最大の落とし穴ですよね)。
  • たまにTwitterでメンションをもらうが、僕のTwitterは壊れているのでメンションが読めないということにしている。
  • あとしゃぶしゃぶのタレはポン酢とゴマだれを混ぜるとうまい。
  • 見たくないメールを受け取った場合は、UserUnknownというメールを手で書いて返信する。

次に挙げるのが、記事を書くときの参考になりそうな考え方。12年も編集長を務め、自身も記事を書いているだけあって、実践的で説得力がある。

記事を書くときの参考になりそうな考え方

  • 図表を手描きにすると素晴らしいアイデアのように見える。
  • どうも世の中、おもしろいよりも役に立つもののほうが好きな人が多いみたいなので、おもしろいですよー!とアピールするよりも役に立つという点で売ったほうがたくさんの人の目に触れる。
  • 大抵の辛いことは引いて見るとおもしろいのだ。
  • 「超オススメです」 「週末に行ってみてはいかがでしょうか」  などだ。まったく迫力がない。だけど自分の名前が出れば 「2個買いました(林)」 「僕は先週行きました(林)」  と書ける。そう書けないものは取り上げなければいい。
  • 記事には情報か共感があればいいと思っている。
  • 世の中のたいていの話はこれぐらいメリハリがない。
  • できすぎた話はテレビ的で嘘っぽい。
  • 魅力的な文章を書くのにいちばん手っ取り早いのは好きなことを書くことだ。
  • 素材とは意外性のある知識だったり、ちょっと気になるもののこと。
  • ネットの外で起きていることをネットの世界に持ってくるところに価値があると思っている。
  • どうやら文字と話し言葉のNGラインは違うらしい。
  • その試みが全然うまくいかなくても構わない。「ダメだということがわかりました」でいい。常識とは違うやり方が有効かどうかを確かめているからだ。
  • 笑いを全面に出さずに、実験や調査という体にしておくのはすべったときに保険になるのだ。
  • 「みなさんもいちど試してみてはいかがでしょうか」みたいなぬるい文体では太刀打ちできない。
  • ライターには自分の両親に説明するぐらいのわかりやすさで書いてくださいとお願いしている。
  • どうでもいいこと、一見くだらないことをするときは、文体は硬いほうがおすすめである。
  • ビジネス書っぽいことを書くと、おもしろさは「近さ」なんじゃないかと思っている。
  • 知識でおびき寄せて、エピソードで奥まで引きずり込む。

最後に、ビジネスに役立ちそうなな考え方。概ね役に立たないが、この辺の自分の感情を素直に文章に起こせることが凄いことだと思う。

ビジネスに役立ちそうな考え方

  • 儲かってなくても目立っていれば、仲間が増えて、できることが広がる。
  • それにえらい人は「こいつゴマすってるなー」というのに気づくのだ。さすが出世するだけある(上から目線)。
  • 「スケジュールの作成」と書けばいいところを「スケジュールの作成及び実行」「スケジュールの作成と推進」と書くとなんかちゃんとした気がする(作成と推進って変な日本語だけど)。
  • 「仲間とスケジュールをがむしゃらに作って実行して感動を与える」
  • 図表を手描きにすると素晴らしいアイデアのように見える。
  • プレゼンでは、「資料はボケ、話はツッコミ」のような関係にしている。
  • 例)「す、すいません! 急いでお見積書をお送りいたします。」  慌ててる感じを出してみた。怒りに取り乱しているように見えないだろうか。しかし冷静に考えれば「す、すいません」と打ってるわけで慌てているどころか、そこにあるのは「慌ててる感じを出してやろう」という計算である。
  • 改善案)「すいませn急いでお見積書をお送りいたsます」  慌てて変換すらおろそかになっている雰囲気を出した。こっちのほうがリアルだろう。
  • どうも世の中、おもしろいよりも役に立つもののほうが好きな人が多いみたいなので、おもしろいですよー!とアピールするよりも役に立つという点で売ったほうがたくさんの人の目に触れる。
  • 催促している相手がSNSに書いて遊んでいるときは黙って「いいね」したり、ファボ(お気に入り登録)して圧をかけている。たいしておもしろくなくてもだ。
  • 数字は「ふーん、世間はこんな反応だったかね」という偉そうな態度で見てほしいと思っている。
  • クリスマスやバレンタインになるとネットではひとりで過ごしていることをアピールする人であふれる。ネットでいちばん強いのは「かわいそう」だからだ。
  • その試みが全然うまくいかなくても構わない。「ダメだということがわかりました」でいい。常識とは違うやり方が有効かどうかを確かめているからだ。