中判フィルムカメラはじめました。FUJIFILM(富士フイルム) GW680 III の紹介、撮影写真も。

憧れていた中判フィルムカメラを購入しました。購入したカメラは 「FUJIFILM GW680 III」。一昨日届いて設定を確認したり、撮影・現像を行ってきたので、今回はこのカメラや撮ってきた写真を紹介したいと思います。なにせわたしにとっては初めて手にした中判フィルムカメラだったので、カルチャーショックというか文化の違いを知られておもしろかったので、その辺も紹介したいと思います。

FUJIFILM GW680 IIIはどんなカメラ?

富士フィルムから観光地などで撮影を行うプロ向けのカメラとして1992年3月に発売されたカメラです。


幅x高さx奥行 201x119x129 mm
重量 1460g
撮影サイズ 68判(56x77mm)

SONY α7 Ⅲとのサイズ比較。左がα7 Ⅲ、右がFUJIFILM GW680 III

まずはこのサイズ感に驚きました。食べざかりの高校生柔道部員の弁当箱くらいあります。ただ、持ってみると見た目ほど重たくないなという印象を持ちました。フルマニュアル機なので重たいパーツが使われていないからでしょう。SONY α7 ⅢにSIGMAのARTラインのレンズを着けた時よりも重量としては軽いという感じです。

FUJIFILM GW680 IIIは、中判カメラとしては重量は軽い方だそうです。ただ、厚みがある分、しっかり握るのにより力が必要です。

中判カメラの撮影サイズ

中判カメラは、カメラによって撮影するサイズや比率が異なります。


645判 56×41.5mm
66判  56x56mm
67判  56x70mm 
68判 56x77mm
69判 56x84mm

FUJIFILM GW680 IIIは、68判(56x77mm)です。中判カメラの中でも大きい方です。購入時はあまり分かっていなかったですが、撮影サイズは画質、解像感に繋がるので、大きなものにしておいてよかったです。

レンズについて

レンズは「EBCフジノンレンズ 90mm F3.5」がついています。90mmだが、35mm換算すると39mmだそうです。マイクロフォーサーズだと2倍にとか、APS-Cだと1.5倍にとか、そういう話ではないのですよね。35mm換算すると数字が減るというのが非常におもしろかったです。

購入検討時に他の中判フィルムカメラもみていましたが「F3.5」、明るく撮れることが購入の決め手にもなりました。35mmのカメラでF3.5と聞くと、まぁまぁボケるくらいなかという印象ですが、なにせ中判なのでよくボケるのではないかと思い購入しました。後ほどの作成で絞り開放で撮った写真もあるので、どれだけボケるのかをお見せできますが、非常によくボケました。フルサイズの感覚で「F2」くらいのボケ味があるのではないかと感じました。ボケ味を活かしたポートレートなども撮っていけたらいいなと考えています。

現像について

中判フィルムの現像は初めてだったので不安でした。ネットで注文できることは知っていましたが、それだと手元に写真が届くまで時間がかかります。あとちょっと面倒だなと思っていましたが、実際はとても簡単でした。金沢の写真店「カメラのスター」さんにて現像を行ってもらいました。35mm版と同様、その日のうちに仕上げてくれたので待たなくて良いとのいうのはとても嬉しく思いました。

FUJIFILM GW680 IIIで撮った写真の紹介


最初のショットは卯辰山見晴台で金沢の旧市街地を見下ろして撮影しました。この場所では、いろんなカメラで撮影を行いましたが、今までに感じたことのない解像感の画を撮ることができました。
このカメラ、プロ向けのカメラなので、よく卒業アルバムにある校舎の3階から全校生徒を見下ろして撮る写真なんかも撮れちゃうカメラなんだなぁとあらためて感じました。


朝、仕事前に金沢の繁華街片町に行って撮影しました。これはF3.5、絞り開放で撮りました。3.5でもこのボケ具合です。ピント合わせが不安でしたが、意図した通り自転車のカゴのあたりにだいたいピントがきているのではないかと思います。ガードレールでいくと、左端の方にピントがきてて、そこから緩やかにボケていっているのが分かります。このだんだん柔らかにボケるというこのボケ具合も気に入りました。


犀川大橋の写真です。この描写、なかなかすごくないですか。これはネットでシェアする用のサイズでデータ化してもらったので、拡大すると粗くなりますが、後日、スキャナーで高解像度でデータ化すると、2つ先の信号あたりの看板の文字も読めるくらい解像していました


この場所でもよく撮影を行うのですが、今までに感じたことのない解像感、階調、奥行き、立体感のある写真になったなと感じました。


ピントはバチッとこなかったですけど、曇って彩度の低い中に赤い傘が映えるなと思って撮影しました。


長町武家屋敷跡の脇道です。コスモ長町という看板にピントをあわせたので、ちょうどその横にあるピンク色の椿もカリカリに解像しています。全国どこででも撮れそうななんてことのない写真ですが、わたしはとても気に入りました。普段は「金沢らしい」風景を撮ろうとしてしまっていることに気づきました。もっとこういう普通の風景も撮っていこうと思いました。それも、この中判フィルムが叩き出す空気感ある画がそう感じさせたのかと感じました。


香林坊アトリオ前で撮影しました。ピントがあっていませんが、中判が持つ階調の豊かさ、シャドゥの粘りを感じることができました。


卯辰山見晴台の近くで同僚のかわべさんに撮ってもらいました。冬のどんよりとした雲が細やかに描写されています。


卯辰山見晴台近くの広場で撮ってもらいました。ただっぴろい広場の空気感が表現されていていいなと思いました。


同じ場所でわたしがかわべさんを撮影しました。バッチリピントをあわせることができました。


石川県金沢市石引にある石引パブリックさんの外観です。このカメラは1本のフィルムで9枚しか撮れないのですが、それに臆さちょっといいなと思った風景はどんどん撮っていこうと思います。


これも石引にある多国籍料理屋さんです。荷台のついた赤い自転車が雰囲気あるな、と思って撮影しました。


コンクリートの壁がいい感じだったので、かわべさんにカメラを渡して撮ってもらいました。もう少しけわしい顔をしてROCKIN'ON JAPANの表紙みたいにできればと思いましたが、優しさってものが隠しきれず出てしまいますね。

まとめ

テストショットを行って、今まで撮れたことのない画が撮れるということが分かったので、いろんな季節のいろんな風景をこのカメラと一緒に撮っていきたいと考えています。レンジファインダーの慣れと、露出を速やかに調べることは今後の課題ですが、画質は申し分ありません。

この記事の動画

記事では触れていないフィルムの装填方法、取り出し方なども解説しています。ぜひご覧ください。


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